Article 細胞:相反する機能をもつマイクロRNAファミリーが、マウスの胚性幹細胞の自己複製を調節する 2010年2月4日 Nature 463, 7281 doi: 10.1038/nature08725 胚性幹細胞(ESC)が分化する際には、ESCの自己複製プログラムの抑制と組織特異的な新しいプログラムの活性化の2つを行わなければならない。マウスESCは、マイクロRNA(miRNA)生合成に必要なタンパク質DGCR8が存在しない場合(Dgcr8−/−)、自己複製を抑制できない。今回我々は、Dgcr8−/− ESCにlet-7 miRNA(体細胞で高度に発現しているmiRNAのファミリー)を導入すると自己複製が抑制できるが、野生型ESCに導入しても抑制できないことを明らかにした。ESCの細胞周期調節(ESCC)miRNAをDgcr8−/− ESCに導入すると、let-7の自己複製抑制作用が阻害される。プロファイリングとバイオインフォマティクス解析から、let-7は多数の自己複製遺伝子を阻害する一方で、ESCC miRNAを間接的に活性化することがわかった。また、let-7ファミリーを阻害すると、体細胞から誘導多能性幹細胞への脱分化が促される。これらの知見を総合して、ESCC miRNAとlet-7 miRNAが共通の経路を介して働き、自己複製あるいは分化のどちらか一方に、細胞の運命を固定することが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る