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細胞:PRDM16-C/EBP-β転写複合体による筋芽細胞から褐色脂肪への切り替え開始

Nature 460, 7259 doi: 10.1038/nature08262

褐色脂肪細胞は、寒冷や肥満に対する生理的防御として、化学エネルギーを熱の形で放出するように特化している。PRDM16(PR domain containing 16)は、140 kDaのジンクフィンガータンパク質で、褐色脂肪細胞への運命決定と分化を強力に誘導する。最近の研究で、褐色脂肪細胞はin vivoでPRDM16の作用により、Myf5陽性筋芽細胞系列から生じることが示唆されているが、この分化切り替えを担う分子機構は明らかではない。今回我々は、PRDM16が活性型C/EBP-β(LAPとしても知られる)と転写複合体を形成し、筋芽細胞である前駆細胞から褐色脂肪細胞への細胞運命切り替えスイッチを制御する重要な分子ユニットとして作用することを示す。PRDM16とC/EBP-βを強制発現させるだけで、マウスやヒトの皮膚繊維芽細胞などの未処理繊維芽細胞で、完全な機能をもつ褐色脂肪細胞のプログラムを誘導できる。これら2つの因子を発現する繊維芽細胞をマウスに移植すると、褐色脂肪の形態学的および生化学的特徴を有する脂肪パッドが異所性に生じる。この合成褐色脂肪組織は、内在性の褐色脂肪と同様にグルコース取り込みのシンクとして機能することが、フルオロデオキシグルコースを用いた陽電子放出断層撮影により明らかとなった。以上の結果は、PRDM16-C/EBP-β複合体が、筋芽細胞前駆細胞からの褐色脂肪形成を開始させることを示しており、これは、肥満や2型糖尿病に対する新たな治療法開発の手がかりとなる可能性がある。

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