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細胞:p53–p21経路による人工多能性幹細胞樹立の抑制

Nature 460, 7259 doi: 10.1038/nature08235

人工多能性幹(iPS)細胞は、マウスでもヒトでも、体細胞へのOct3/4(別名Pou5f1)、Sox2、Klf4、およびc-Mycの導入によって樹立できる。しかし、この過程は効率が低い。多能性はc-Mycがなくても誘導することができるが、その効率はさらに低い。最近、p53(ヒトでの別名TP53、マウスでの別名Trp53)の短鎖干渉RNA(siRNA)によって、ヒトiPS細胞の樹立が促進されることが示されたが、その特異性や機構は確定されていない。本論文では、p53を欠損したマウス胚性繊維芽細胞に再プログラム化因子を導入すると、Mycレトロウイルスを用いない場合でも、最大10%までがiPS細胞になったことを報告する。因子のプラスミドによる導入を行った場合でも、p53を欠損した細胞では、ゲノムへの遺伝子の組み込みのないマウスiPS細胞の誘導が促進された。そのうえ、p53欠損という遺伝的背景では、終末分化したTリンパ球からもiPS細胞が生じた。p53の抑制は、ヒトiPS細胞樹立の効率も高めた。DNAマイクロアレイ解析によって、マウスとヒトの繊維芽細胞で共通する、p53によって調節される遺伝子が34個同定された。これらの遺伝子の機能解析から、p53–p21経路が腫瘍形成だけでなく、iPS細胞の樹立においても障壁となっていることが示される。

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