Letter 植物:エチレン応答因子SNORKEL1およびSNORKEL2がイネを深水に適応させる 2009年8月20日 Nature 460, 7258 doi: 10.1038/nature08258 不安定で過酷な環境に生物が適応するためには、新しい生体機能を獲得する必要がある。浮イネは、深水依存的に節間を伸長させる能力を獲得することによって進化し、洪水に適応してきた。節間は中空構造であり、スノーケルとして機能することで大気とのガス交換を可能にしており、それによって浮イネの溺死が防がれる。この応答には植物ホルモンのエチレン、ジベレリン、およびアブシジン酸が関与していることが、多くの生理学的研究によって示されているが、この形質をもたらす遺伝子(群)は同定されていなかった。今回我々は、遺伝子SNORKEL1およびSNORKEL2の同定によって、浮イネの深水応答(深水依存的節間伸長)の分子機構を明らかにする。この2つの遺伝子は、エチレンシグナル伝達に関与するエチレン応答因子をコードしており、深水応答を引き起こす。深水条件では、エチレンが植物体に蓄積してこれらの遺伝子の発現を誘導する。そして、SNORKEL1およびSNORKEL2の産物は、ジベレリンを介して顕著な節間伸長を引き起こす。また我々は、浮イネ性に関与する3つの量的形質遺伝子座の導入によって、非浮イネが浮イネになる能力を得ることも実証した。今回の知見は、雨季にたびたび洪水に見舞われる低地のイネの育種の一助となると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る