Letter

神経:神経伝達はin vivo平行的回路中でのシナプス形成を選択的に調節する

Nature 460, 7258 doi: 10.1038/nature08236

発生中の神経系で、シナプス結合のパターン形成を誘導するのは活動だとされている。特に、複数の入力が収斂している場合には、活動の差によって、入力のより不活性なシナプスが除去され、入力のより活性な結合が強化されると考えられている。しかし本報告では、この説の一般性に疑問を投げる知見を示し、シナプスの発達に対する活動の役割について、新たな見方を提供する。in vivoで、異なる入力間の神経伝達のバランスを変えるため、網膜のON型双極細胞が破傷風毒素(TeNT)を発現し、OFF型細胞は発現しないような遺伝子改変マウスを作出した。発生の過程で網膜神経節細胞(RGC)は、ON型双極細胞入力またはOFF型双極細胞入力のどちらかを選択して、ON型またはOFF型のRGCとなるか、別々の樹状突起分枝上で両者とほぼ同数のシナプスを作ってON-OFF型のRGCになる。TeNT網膜では、ON型RGCは、活動しているOFF型双極細胞より活動していないON型双極細胞のほうを正しく選択したが、成熟後にはシナプス数が少なかった。微速度撮影による画像化を行うと、この過程はシナプス廃止が増すのではなく、シナプス形成の速度が下がることによっていることがわかった。同様に、TeNTを発現するON型双極細胞の軸索では、形成されるシナプス前放出活性帯の数が減っていた。残っていた放出活性帯は、しばしば単一ではなく複数のシナプスリボンを備えていた。TeNTマウスのON-OFF型RGCは、ON型双極細胞ともOFF型双極細胞とも結合を保っており、ON型双極細胞と結合する樹状突起分枝上のシナプス数が減っていたが、OFF型と結合する分枝に変化はなかった。これらの結果は、in vivoでの回路発達における活動の役割が、予想以上に非常に選択的であることを示している。すなわち、活動はシナプス廃止ではなく形成を調節し、樹状突起分枝や軸索伸展のパターンではなくシナプス数を調節し、そして同一のシナプス後細胞上に収斂するものであっても平行な(ONおよびOFF)情報流路からの結合を独立に精緻化させる。

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