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細胞:過剰な中心体と染色体不安定性とを結びつける機構

Nature 460, 7252 doi: 10.1038/nature08136

染色体不安定性(CIN)は多くの腫瘍の特徴で、過剰な中心体の存在と関連がある。しかし、中心体過剰とCINを結びつける直接の機序は、まだ確立されていない。従来、過剰な中心体は、細胞分裂後期に異数体の娘細胞を3個以上作るという、極めて異常な分裂である多極分裂を促すことによってCINを引き起こすと考えられてきた。本論文では、生きた細胞を長時間画像化する方法を用いて、複数の中心体をもつ細胞が多極分裂を起こすのはまれであり、多極分裂によって生じた子孫細胞は通常は生存不能であることを実証する。したがって多極分裂では、観察されるようなCINの頻度は説明できない。これに対し、過剰な中心体をもつCIN細胞は、おおむね二極性細胞分裂を起こすことが観察されたが、後期に移動の遅れる染色体の頻度が大幅に上昇する。このような有糸分裂異常の原因となる機序を解明するために、中心体数だけが異なる細胞を作製した。過剰な中心体の存在だけで、二極性細胞分裂中の染色体の分離異常を引き起こすのに十分なことがわかった。この分離異常は、細胞が一過的に「多極性紡錘体中間体」をもつ状態となったためで、この状態では、中心体のクラスター形成と後期の前に、動原体と微小管の結合異常、すなわち両極から伸びる微小管が1つの動原体に結合するmerotelic attachmentが蓄積する。これらの知見は、過剰な中心体とCINという固形腫瘍に共通する2つの特徴的性質を結びつける直接の仕組みを明らかにしている。この仕組みは、ヒトがんのCINに共通する原因かもしれない。

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