Letter

環境:天然ガス田の主要なCO2シンクとしての地層水における溶解トラッピング

Nature 458, 7238 doi: 10.1038/nature07852

深い地層へのCO2の注入は、工業点源から回収したCO2を貯留する、安全で経済的に有利な手段として提案されている。しかし、既存の処分場での10年間の観測結果から、地下へのCO2注入の長期的影響を評価することは困難である。処分場の設計と長期安全性モデリングの両方が、処分場の寿命期間にわたってCO2を貯留する場所と方法に大きく左右される。地層貯留場内では、注入されたCO2は溶解して溶液となるか、炭酸塩鉱物として沈殿する。今回我々は、北米、中国、欧州の9カ所の天然ガス田におけるCO2流体相除去の主な機構を、希ガスと炭素同位体トレーサーを使って特定し定量化した。この研究で調査した天然ガス田は、CO2相が支配的であり、1,000年の時間スケールで人為起源CO2の地層貯留を評価するための天然の類似例となる。貯留岩の岩質がケイ砕屑性か炭酸塩が支配的である7カ所のガス田では、pH 5〜5.8の地層水への溶解が主要な唯一のCO2シンクであることがわかった。また、貯留岩の岩質がケイ砕屑性である2カ所のガス田では、炭酸塩鉱物として沈殿することによるCO2減少が無視できず、封入されたCO2のうち最高で18パーセントの減少の原因となりうる。天然ガス田ではCO2のトラッピング機構として地質学的鉱物固定があまり重要ではないという今回の結果を考慮すると、同様の地質学的な系での人為起源CO2の長期貯留モデルでは、水に溶解したCO2の移動の可能性に注目すべきであることが示唆される。

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