Letter 生態:選択的ストレス下では群集の初期均衡度が機能性維持を左右する 2009年4月2日 Nature 458, 7238 doi: 10.1038/nature07840 現在、地球規模で生物多様性が危機にさらされていることから、生物多様性と安定性との関係や生物多様性が生態系機能に与える影響は、生態学における主要な研究テーマとなっている。生物多様性は、生物にみられる多様性の分類学的、機能的、さらには時空間的側面を複合的に含む言葉であり、多様性に最も重要だと考えられている数値として、種の豊富さ(種数)や種の均衡度(種の相対的存在度)がある。わずかに例外はあるが(例:ref.6)、生物多様性の機能や生物多様性-安定性理論の研究の大半は、種の豊富さを主に調べたものである。今回我々は、細菌からなる微小生態系(マイクロコズム)を用い、生態系機能の安定性保持には、群集の初期均衡度が重要な要因となることを示す。脱窒細菌群集を含む微小生態系内の種の豊富さと初期均衡度の両方を実験的に操作することにより、塩分ストレスに直面したときの生態系の正味の脱窒作用の安定性は、群集の初期均衡度に大きく左右されることがわかった。それゆえ、群集が極めて不均衡である場合、あるいは一種か数種によって極端に優占されている場合、生態系機能の環境ストレスに対する耐性は低くなる。自然環境やヒトの手の入った環境で均衡度が生態系プロセスにどのように影響するかをさらに解明することは、これから取り組むべき主要な課題の1つである。 Full Text PDF 目次へ戻る