Letter

医学:HIV-1のヒト白血球抗原クラスIに対する適応

Nature 458, 7238 doi: 10.1038/nature07746

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の流行の迅速かつ広範な伝播は、ヒトを巻き込んだ宿主-病原体の同時進化を目の当たりにするまれな機会を与える。焦点は、ヒト白血球抗原(HLA)をコードする遺伝子群とHIVタンパク質をコードする遺伝子群との間の相互作用である。HLA分子はHIVタンパク質の断片(エピトープ)を感染細胞表面上に提示し、CD8+ T細胞による免疫認識とHIV感染細胞の殺傷を可能にする。HLA-B*57、HLA-B*27、およびHLA-B*51といった特殊なHLA分子は、HIV感染をうまく制御する仲立ちをしている可能性が高い。これらのエピトープの変異はCD8+ T細胞認識からのウイルスの逃避を可能にする。今回我々は、五大陸をまたぐ9つの異なる研究集団から集めた、2,800人以上の患者のウイルス配列とHLA対立遺伝子を解析した。HLA-B*51拘束性エピトープであるTAFTIPSI(逆転写酵素128〜135残基)の最初の解析は、その9つの研究集団において、I135Xの逃避変異の頻度とHLA-B*51の頻度との間に強い相関を示した(P = 0.0001)。これらの解析を広げてHLA-B*57とHLA-B*27拘束性のものを含むその他のよく研究されているCD8+ T細胞エピトープを組み入れると、これらの変異エピトープの頻度(n = 14)が、異なる集団において、拘束するHLA対立遺伝子の頻度と一貫して相関することが明らかとなり(合計、P < 0.0001)、集団レベルでのHLAに対するHIVの適応の強い証拠が実証された。このウイルス適応の過程は、鍵となるエピトープを利用できることと直結した、確立されているHLAとHIV感染の制御との関連性を突き崩すことになるかもしれず、またHIVによって提示される免疫学的景観の変化に対応するためのワクチン開発の課題をはっきりさせている。

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