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生理:病原体タンパク質EspFUによる模倣と多価性を利用したアクチン重合の乗っ取り

Nature 454, 7207 doi: 10.1038/nature07170

腸管出血性大腸菌は、細菌が宿主細胞にEspFUタンパク質(TccPとしても知られている)を注入したときに形成されるアクチン台座様構造によって腸に結合する。EspFUは、シグナル伝達分子のうちでアクチンの核形成因子である宿主のWASP(Wiskott-Aldrich syndrome protein)ファミリーを強く活性化する。WASPは、本来はGTPアーゼCDC42により活性化される。EspFUは、アミノ末端のタイプIII分泌シグナルを除けば、47個のアミノ酸からなるリピートが5回半繰り返された構造である。今回我々は、EspFUのこのリピート中にある17残基のモチーフがN-WASP(WASLとしても知られている)との相互作用に十分であることを示す。細胞骨格装置と結合する多くの病原体タンパク質と異なり、このモチーフは上流にある天然の活性化因子を模倣していない。つまり、EspFUはCDC42の活性化状態ではなく、N-WASP中に見いだされる自己阻害因子を模倣している。したがって、EspFUは自己阻害状態を競合的に妨げることにより、N-WASPを活性化する。EspFUは、本来の活性化因子ではなく、内在性の調節要素を模倣することで、CDC42により活性化される過程の一部のみを正しく選んで活性化する。アクチン重合は1つのリピートだけで促進できるが、複数のリピートを含む断片は効果が著しく高くなる。このようなEspFU断片の活性は、少なくとも2つのN-WASPタンパク質の協調した活性化を起こす能力と相関している。したがって、この病原体は、単純な自己阻害断片を非常に有効性の高いアクチン重合装置を形成する構成要素として利用している。

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