Letter 視覚:完全なニューロン集団における時空間的相関と視覚信号処理 2008年8月21日 Nature 454, 7207 doi: 10.1038/nature07140 感覚ニューロン応答の統計量依存性は、伝えられる刺激情報の量と下流ニューロンの情報抽出方法を規定する。こうした依存性の存在は、さまざまな測定で示されているが、その由来や神経符号化に際しての重要性については、よくわかっていない。今回、マカクザルの網膜神経節パラソル細胞の集団での相関発火の機能的意義について、複数ニューロン発火応答モデルを用いて解析した。このモデルで、生理実験データに直接あてはめた変数を用いたところ、刺激依存性と集団応答の詳細な時空間的相関者を同時にとらえることができ、神経符号構造に関する2つの手がかりが得られた。第一に、集団レベルでの神経符号化は、個々のニューロンの活動のばらつきから予測されるより低ノイズである。すなわち、発火回数はより正確で、周囲の細胞の発火を考慮に入れるとさらに正確に予測できる。第二に、相関によってより多くの感覚情報が運ばれる。すなわち、応答相関構造を利用した最適化モデルに基づく符号解読では、統計量依存性がないと仮定した符号解読モデルに比べて、視覚光景について20%多くの情報を引き出すことができ、最適化線形符号解読モデルに比べて、40%多くの視覚情報を保存できる。今回のモデルに基づくアプローチによって、視覚刺激が網膜で符号化される際の相関活動の役割が明らかになっただけでなく、ニューロン集団の相関活動の重要性を理解するための一般化可能な枠組みが得られた。 Full Text PDF 目次へ戻る