Letter 材料:半導体へのドーピングによる非従来型金属の生成 2008年8月21日 Nature 454, 7207 doi: 10.1038/nature07137 金属中の電子が、自由電子質量に代わる有効質量をもつ独立した粒子として単純に理解できることを中心的な主張とする、ランダウのフェルミ液体論は、電子がホスト結晶格子、格子欠陥、他の約1022 cm−3の電子からクーロン相互作用を受けているにもかかわらず、大きな成功を収めてきた。この理論の重要な拡張によって、ドーピングされた半導体の挙動が説明される。材料に関する膨大な文献の中でフェルミ液体論とその拡張理論に矛盾するものはほとんどないので、例外は大きな注目を浴びてきた。この例外には、高温超伝導体、二次元金属を含むシリコン系電界効果トランジスター、磁性を示しかけている特定の希土類化合物が含まれる。これらすべての系における非フェルミ液体挙動の原因については、まだ議論の余地が残されている。今回我々は、全く異なる非常に単純な種類の材料、つまり金属絶縁体転移付近のドーピングされたスモールバンドギャップ半導体も、非フェルミ液体状態を示しうることを報告する。注目すべきは、あまり強くない磁場が、通常の無秩序なフェルミ液体に戻すスイッチとして機能することである。我々のデータが示唆しているのは、数学的にのみ厳密であった非フェルミ液体を得る経路、すなわち「過小補償された(undercompensated)近藤効果」(可動電子が少な過ぎるため、不純物原子に局在する不対電子のスピンを補償できない)を物理的に実現する方法の発見である。 Full Text PDF 目次へ戻る