Letter

化学:絶縁体中の遷移金属における酸化状態変化の際の電荷自己調整

Nature 453, 7196 doi: 10.1038/nature07009

イオン結晶や半導体結晶中に埋め込まれた遷移金属原子は、さまざまな酸化状態をとることが可能であり、原子の酸化状態によってX線光電子分光や「イオン半径」に異なる特徴が現れる。これらの酸化状態は、遷移金属原子の物理的イオン化、すなわち原子からあるいは原子へ電荷が本当に移動することと、暗黙のうちに関係づけられることが多い。物理的なモデルはこの電荷移動という考え方に基づいて作られているが、第一原理量子力学計算の結果からは、酸化状態が変化しても遷移金属の局所電荷はごくわずかしか変化しないことが示されている。今回我々は、外部摂動のもとで遷移金属原子が局所電荷を一定に維持しようとするこの意外な傾向を、ホメオスタシスのような固有の負のフィードバックに基づいて説明する。X線光電子放出の内殻準位シフト、イオン半径、局所磁化変化などの酸化状態や多原子価の特徴は、実際に起こる電荷移動の結果と解釈されることが多かったが、これは負のフィードバックによる電荷調整の結果であることを明らかにする。

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