Article 発生:マウスにおける肺発生の分枝プログラム 2008年6月5日 Nature 453, 7196 doi: 10.1038/nature07005 哺乳類の肺は、呼吸に必須な入り組んだパターンを作るように配置された、数千から数百万の気道からなる分枝ネットワーク構造をしている。発生の間にこうした樹状構造がどのようにして作られるのか、またその発生のパターン形成情報がどのようにコード化されているのかは、長らく生物学者や数学者の興味をかき立ててきた。しかし、分枝の本来の順序とパターンに関する情報が不足していたことから、これまでは限定的なモデルしかなかった。本研究では、数百に及ぶ発生の中間段階の解析から再構築した、マウス気管支樹の完全な三次元分枝パターンおよび分枝系譜を示す。その分枝過程は高度に定型化された巧妙なものであり、肺全体にわたって3つの幾何学的に単純な局所的分枝様式が3通りの順序で用いられることによって、この樹状構造が生み出される。それぞれの分枝様式は、一連の局所的なパターン形成および形態形成作用として遺伝的にコード化されたサブルーチンによって制御され、サブルーチンはより上位の包括的なマスタールーチンによって制御されていると我々は考える。この階層的なモジュール式プログラムは遺伝的に制御しやすく、肺や他の分枝構造をもつ器官の複雑なネットワークをコード化し、進化させるのに理想的である。 Full Text PDF 目次へ戻る