Letter 地球:南極氷流の固着すべり運動に対する遠地地震および測地学的手法による同時観測 2008年6月5日 Nature 453, 7196 doi: 10.1038/nature06990 氷河の動きと関連した長周期震源が最近見つかり、過去10年間に氷流が増加したことがその測定の経年変化に基づいて示唆されている。しかし、氷の流れとの関連性が直接観測によって確認されていないため、その意味はよくわかっていない。本論文では、長周期表面波観測と全球測位システムによる氷の変位の同時観測を組み合わせて、南極西部のWhillans氷流での潮汐によって変調された固着すべり運動について調べた。地震の発生時間は、Whillans氷流河床領域でのすべりの核形成に一致していた。この領域は周囲より強度が高いと思われており、一般的な断層モデルの「アスペリティ」のようにふるまう。初期のパルス的な地震波に加えて、10〜23分後に発生する2つの地震波は、すべりが氷流の端と接地線に達して停止する際の停止相にあたる。地震波の振幅と平均的な破壊速度は、大潮から小潮へと変わる潮汐周期の間にさまざまなすべり事象を起こす潮汐振幅と相関がある。氷の剛性、滑りの大きさ、破壊面積から計算した全地震モーメントは、モーメントマグニチュード7(Mw 7)の地震に相当するが、地震波の振幅は、震源継続時間が20〜30分と長いのであまり大きくない(Ms 3.6〜4.2)。氷の動きによる地震波の放射は、周期25〜100秒でのモーメント速度関数の微分に比例し、極めて長周期の放射は震源の形状のために検出されていない。したがって、長周期地震波は突然の氷の動きを検出し調べるには有用であるが、すべりの総量には敏感ではない。 Full Text PDF 目次へ戻る