Letter 生態学:個人の移動パターンを把握する 2008年6月5日 Nature 453, 7196 doi: 10.1038/nature06958 都市開発計画や交通予報、生物ウイルスあるいはモバイルウイルスの拡散研究にとって、人の移動を支配する規則を理解することは重要である。それにもかかわらず、人の位置情報を時間分解的に観察・記録する手段がなかったために、限られた知見しか得られていなかった。今回我々は、100,000人の匿名の携帯電話利用者の移動軌跡を6カ月間にわたって追跡した。その結果、レヴィ・フライトとランダムウォークモデルから予測される無作為な移動軌跡とは対照的に、人の移動軌跡は非常に高度な時空間的規則性を示すことがわかった。各個人の特徴は、移動距離が時間に依存しないこと、そして非常に頻繁に訪れる少数の地点へ戻る可能性が非常に高いことである。移動距離の違いと各軌跡の固有異方性を補正すると、各移動パターンは単一の空間確率分布に集束した。このことから、個人の移動履歴は多様であるにもかかわらず、人は単純で再現可能なパターンに従って移動することがわかる。この移動パターンに本来備わっている類似性は、伝染病予防、緊急時の対応、都市開発計画、そしてエージェントベースモデリングといった、人の移動により起こる現象すべてに影響を与えうるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る