Letter 進化:連続的でモジュール化した形質の分岐論的解析でヒト属進化の系統学的シグナルが得られる 2008年6月5日 Nature 453, 7196 doi: 10.1038/nature06891 骨格における進化上の新規性は通常、発生のさまざまな階層レベルに本来的に組み込まれた特徴の成長時期の変化として表される。その結果、種を越えてみられる形態形質の大部分は質的変化ではなく、多変量空間内においてモジュール化される量的変化となる。大部分の系統解析は、独立していると仮定された離散的形質が通常用いられ、従来の研究では、形態構造という形で系統学的シグナルが存在する可能性は無視されてきた。低位の分類階級では、多様性のほとんどは本来的に量的であり、そうした分類階級を解析する場合には、形質の選択や連続的で統合的な形質の利用可能性などの基本的要求を解決することが、より広汎な系統学的情報の復元にとって極めて重要である。これが特に関係してくるのは、利用可能なデータが化石化構造に限られている絶滅系統の解析の場合である。本論文では、連続的で多変量性のモジュール化した形質をそれなりに処理すれば、主要なヒト属(Homo)分類群間の類縁関係を、分岐論的解析でうまく解けることを示す。我々の試みは、分岐論、進化・発生過程で生じた形質選択、および幾何学的な形態計測法の組み合わせに基づいている。ヒト科系統に関する従来の分岐論的解析とは異なり、我々の方法では形質の量的性質を説明し、形質の形態的組み込みパターンを重視する。複雑な表現型はさまざまな分類群にみられ、系統的類縁関係に関する情報源となりうることから、今後の解析ではこの種の形質の取り込みを強く目指すべきであろう。 Full Text PDF 目次へ戻る