Letter 細胞:繊毛の極性と動きを制御する正のフィードバック機構 2007年5月3日 Nature 447, 7140 doi: 10.1038/nature05771 繊毛上皮は多くの器官系において体液の流れを作り出しており、気道では粘液を排除し、脳室では脳脊髄液を輸送する。原発性繊毛機能不全症など、繊毛による流れを作ることができないヒトの疾患では、器官の機能や病原体に対する抵抗性が損なわれ、再発性呼吸器感染症、耳炎、水頭症、不妊などにつながる。繊毛による流れを作り出すためには、個々の細胞の繊毛が上皮の平面軸に沿った極性をもつ必要があるが、いずれの繊毛上皮においても極性がどのように獲得されているのかは不明である。今回我々は、発生中のアフリカツメガエル幼生の皮膚の繊毛細胞をモデル系として用い、繊毛に極性をもたせる発生機序を解析する。組織のパターン化による極性の偏りの設定に始まり、それに続く微調整の段階へと続く一連の過程を経て、繊毛は極性を獲得していく。我々の結果から、微調整中の液体の流れが、繊毛極性の決定に必要かつ十分な因子であることがわかる。これらの知見は、液体の流れと組み合わさって起こる組織のパターン化が正のフィードバック回路として働き、繊毛の平面極性をもたらすという新たな機序を明らかにするものである。 Full Text PDF 目次へ戻る