Letter 脳:麻酔下サル脳にみられる内在性の機能的構造 2007年5月3日 Nature 447, 7140 doi: 10.1038/nature05758 脳機能を研究するための伝統的な手法では、感覚や運動、認知について制御された範例に対する生理的な応答を測定する。しかし、脳のエネルギー消費の大部分は、特定の刺激や行動とは明確に関連付けられていない継続的な代謝活動に費やされている。この継続的活動を解明するために行われたヒト脳の機能的磁気共鳴画像研究からは、血中酸素濃度レベルに依存した磁気共鳴シグナルの自発的な変動が、安静状態でも持続的に生じていることがわかっている。ヒトではこの変動が、広範囲にわたる皮質系(実験課題で引き起こされる反応の機能的構造にかかわっている)で時間的に整合している。今回我々は、これと同じ現象が、深い意識消失を起こすことがわかっているレベルの麻酔を施したサルにもみられることを示す。この整合した自発的変動は、よく知られた3つの系(眼球運動系、体性運動系および視覚系)や「初期設定(default)」の系(ヒトのみに備わった能力を支えていると一部の研究者が考えている一群の脳領域)内ではっきりとみられた。これらの結果から、系の整合した変動はおそらく、脳の機能的組織化のうち進化的に保存されていて意識のレベルを超えて働く側面を表していると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る