Letter 2-キヌクリドニウム・テトラフルオロボレートの合成および構造解析 2006年6月8日 Nature 441, 7094 doi: 10.1038/nature04842 アミド官能基は化学および生物学でみられる最も基本的なモチーフの1つであり、100年前から広く研究されてきた。その典型的な非環式アミドは平面的である。しかし、二環式橋頭ラクタムのアミド基は大きくねじれており、平面からのこの歪みはこうしたアミドの安定性と反応性に著しい影響を及ぼすことがあり、また窒素の塩基性を高めるので、典型的な平面アミドよりもアミンのようにふるまうことも多い。その結果、これらの「ブレット則に反する」アミドの構造および反応性プロファイルは平面アミドと大きく異なる。このねじれ現象が環式系に限られたものではないとすれば、非平面性はアミド基底状態の不安定化をもたらし、さまざまなタンパク質や酵素過程(アミド加水分解など)の反応性、選択性、反応機構の変化につながる重要な生物学的設計要素なのかもしれない。これらのねじれ型アミドの興味深い特性は1938年に初めて認識され、最も単純なファミリーの1つ、1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-2-オン系を含む分子が紹介された。しかし、この基の親化合物である2-キヌクリドン(本論文の分子1)はこれまで、はっきりとした経路で合成されたことがない。今回我々は、分子1のHBF4塩の化学合成、単離、十分な特徴づけを行ったので報告する。合成と単離を成功させるために重要だったのは、古典的なアミド結合形成法と異なる方法で分子1を生成させると決めたことであった。これらの結果によって、アミド結合の特性の解明がさらに進むことが期待される。 Full Text PDF 目次へ戻る