Letter

気管の分枝形成過程における上皮細胞間の社会的相互作用

Nature 441, 7094 doi: 10.1038/nature04829

多くの器官は、上皮から細胞が伸び出して管を形成する分枝過程によって生じた、管のネットワークでできている。繊維芽細胞増殖因子(FGF)やその他のシグナル伝達分子は、分枝の出芽や伸長を誘導することが示されているが、上皮細胞がその細胞移動や形態形成をどのように協調させるのかはわかっていない。本論文では、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)における遺伝学的なモザイク解析により、気管の出芽中の分枝には機能的に異なる2種類の細胞があることを示す。つまり、分枝先端にあって直接Branchless FGFに応答して分枝の伸長を誘導する細胞と、その後ろに続いて二次的なシグナルを受け取り、先導する細胞に従って管を形成する細胞である。これらの細胞には、こうした役割があらかじめ定められているわけではない。細胞間には競争があり、最も高いFGF受容体活性をもつ細胞が先導の位置を占め、一方、FGF受容体活性の低い細胞が補助的な位置を担い、分枝の根元部分を形成する。競争にはNotchの介する側方抑制が関与し、余分な細胞が先導役を担うのを防いでいるようである。モザイク上皮では、化学誘引物質に応答できない、もしくは十分に応答しない細胞が上皮中のほかの細胞を自身より前に移動させることから、出芽中の細胞間には協調作用もある可能性がある。

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