34億3000万年前のStrelley Pool Chart(SPC) (オーストラリア、ピルバラ地塊)は、生物起源と思われる薄層状構造(ストロマトライト)を含む堆積岩の地層である。このような古代の化石が生物起源であるかどうかの判定をめぐっては現在も論争が続いている。しかし、化石を解釈するうえでの障害の多くはSPCでは問題とならない。というのも、SPCのストロマトライトの露頭は広範囲にわたって広がり、保存状態が極めてよく、形態が多様であるために、この時代のほかの岩石をしのぐスケールで包括的な古生物学的情報が得られるからである。本論文では、数キロメートルのスケールでSPCの古生物学的および古環境的研究を行い、7種類のストロマトライトの形態型(多くはこれまで発見されていなかった)を潮周帯性炭酸塩プラットフォームのさまざまな場所で発見したことを報告する。ここでは、古環境内で形成された構造の形態型に限定した分析を初めて行い、その形成が非生物起源であるとする従来の仮説が誤りであることを示す。結論として、ストロマトライトの多様性、複雑性、そして環境との関連は、地球史を通じて同様な状況下で生命が存在したことを反映するパターンを示していると思われる。