Volume 434 Number 7037

Editorials

欧米で、進化に神の手が働いているとするインテリジェント・デザイン説を広めようとする動きがみられるが、科学者はこれを無視せずに、それに代わる考え方を伝える努力をすべきだ。

Dealing with design p.1053

doi: 10.1038/4341053a

中国の国家自然科学基金委員会が打ち出した助成の透明性、説明責任を重視する方針が、他の大規模な助成組織にも波及することが望まれる。

New accountability in China p.1053

doi: 10.1038/4341053b

News

トルコ政府が、科学技術研究評議会(TUBITAK)への支配を強めようとしていると、科学者たちから非難の声。

Turkish government accused of hijacking boosted science budget p.1055

doi: 10.1038/4341055a

衛星を利用した追跡で、大西洋のクロマグロの資源回復計画を緊急に見直す必要があることが判明。

Satellite tags give fresh angle on tuna quota p.1056

doi: 10.1038/4341056a

小児白血病の主な原因は感染症との研究結果が。

Link to infection raises hope of preventing child leukaemia p.1058

doi: 10.1038/4341058b

日本の花粉症患者の急増は、温暖化が一因の可能性。

p.1059

doi: 10.1038/nature03682

News Features

インテリジェント・デザイン説:学生の思考をデザインするのは誰?

Who has designs on your students' minds? p.1062

米国の大学では、科学と宗教の溝を埋めるものとして、この新しい説が少しずつ力を伸ばし始めている。

doi: 10.1038/4341062a

量子物理学:光子哲学者

The philosopher of photons p.1066

量子分野の著名な研究者であるゼイリンガー氏とダライラマとが、量子物理学と哲学について語り合った。

doi: 10.1038/4341066a

News & Views

宇宙物理学:滅多に見られないフレア

A certain flare p.1075

軟γ線リピーターの巨大なフレアは壮大な光景だが滅多にみられない出来事で、我々の銀河系ではまだたった3回しか観察されていない。もっと遠く離れたところで起こっているものを見逃しているのではないかということも疑われている。highlights 参照。

doi: 10.1038/4341075a

進化生物学:動物のルーツと分岐

Animal roots and shoots p.1076

なおざりにされてきた動物群のDNA塩基配列データは、進化の歴史の根源部分についての議論の余地ある仮説を裏付けている。しかし、全ゲノム配列だけを使って進化の歴史を推論すると判断を誤る恐れがある。

doi: 10.1038/4341076a

技術:穏やかな温かさで融合

Warm fusion p.1077

白衣のポケットに入りそうな装置で、ちょっと温めて核融合を起こさせ中性子を作ることができる。従来の中性子発生装置をはるかに越える簡単さと携帯可能という利点は相当なものとなろう。letters, p.1115 参照。

doi: 10.1038/4341077a

HIV:ウイルスの電撃作戦

Viral blitzkrieg p.1080

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)あるいはサル免疫不全ウイルスによって免疫系が被った損傷が原因でAIDSが発症するまでには数年かかる。しかし意外にも、体の記憶T細胞のほぼ半数にあたる大量の細胞が感染の初期段階に死んでしまうらしい。articles, p.1093, letters, p.1148 参照。

doi: 10.1038/4341080a

行動生態学:親戚を見分ける合図

Cue for kin p.1080

エナガのような鳥たちは、子供を育てることができなかった成鳥が、血縁の鳥が仔に給餌するのを手伝う。これに必要な血縁識別システムは音声手がかりの学習に依存していることがわかった。letters, p.1127 参照。

doi: 10.1038/4341080b

追悼:Maurice R. Hilleman氏 (1919-2005)

2005) p.1083

B型肝炎による大量の死亡や流行を防止し続けているワクチンの創始者であるHilleman氏が亡くなられた。ご冥福を祈りたい。

doi: 10.1038/4341083a

Maurice R. Hilleman氏 (1919-2005)

p.1083

B型肝炎による大量の死亡や流行を防止し続けているワクチンの創始者であるHilleman氏が亡くなられた。ご冥福を祈りたい。

doi: 10.1038/fake176

Articles

遺伝:ショウジョウバエDorosophilaShaker変異体にみられる睡眠減少

Reduced sleep in Dorosophila Shaker mutants p.1087

doi: 10.1038/nature03486

免疫:急性SIV感染時の多組織における記憶CD4+ T細胞の大量感染と消失

Massive infection and loss of memory CD4+ T cells in multiple tissues during acute SIV infection p.1093

doi: 10.1038/nature03501

宇宙:SGR 1806-20の例外的に明るいフレアおよび持続時間の短いγ線バーストの起源

An exceptionally bright flare from SGR 1806-20 and the origins of short-duration γ-ray bursts p.1098

doi: 10.1038/nature03519

Letters

宇宙:マグネターSGR 1806-20からの巨大フレアによってつくられた膨張している電波星雲

An expanding radio nebula produced by a giant flare from the magnetar SGR 1806-20 p.1104

doi: 10.1038/nature03498

宇宙:マグネターSGR 1806-20からの巨大なγ線フレア

A giant γ-ray flare from the magnetar SGR 1806-20 p.1107

doi: 10.1038/nature03525

宇宙:SGR 1806-20の巨大フレアで最初から600ミリ秒の間に繰り返し起こったエネルギー注入

Repeated injections of energy in the first 600 ms of the giant flare of SGR 1806-20 p.1110

doi: 10.1038/nature03573

宇宙:2004年12月27日のSGR 1806-20からの巨大フレアに対応する電波天体の発見

Detection of a radio counterpart to the 27 December 2004 giant flare from SGR 1806-20 p.1112

doi: 10.1038/nature03605

物理:焦電性結晶によって引き起こされる核融合の観測

Observation of nuclear fusion driven by a pyroelectric crystal p.1115

doi: 10.1038/nature03575

海洋:亜南極海におけるハインリッヒ・イベント時の生産力の増大

Increased productivity in the subantarctic ocean during Heinrich events p.1118

doi: 10.1038/nature03544

生態:大西洋クロマグロの電子タグ装着と個体群構造

Electronic tagging and population structure of Atlantic bluefin tuna p.1121

doi: 10.1038/nature03463

動物行動:社会性を持つ鳥類で見られる学習により獲得した血縁認識

Learned kin recognition cues in a social bird p.1127

doi: 10.1038/nature03522

発生:プログラムされたパターン形成を行う人工多細胞系

A synthetic multicellular system for programmed pattern formation p.1130

doi: 10.1038/nature03461

発生:マイクロ流体システムを用いて空間時間的に撹乱したショウジョウバエ胚におけるパターン形成ネットワークの動的変動

Dynamics of Drosophila embryonic patterning network perturbed in space and time using microfluidics p.1134

doi: 10.1038/nature03509

免疫:IKKαはマクロファージのNFκB活性化を制限し炎症の消散に寄与する

IKKα limits macrophage NF-κB activation and contributes to the resolution of inflammation p.1138

doi: 10.1038/nature03491

生化学:JAK2に見られる独特のクローナル突然変異は構成性シグナル伝達を引き起こし真性赤血球増加症の原因となる

A unique clonal JAK2 mutation leading to constitutive signalling causes polycythaemia vera p.1144

doi: 10.1038/nature03546

免疫:静止期記憶CD4+ T細胞内でのSIV複製のピークは腸管粘膜固有層のCD4+ T細胞を減少させる

Peak SIV replication in resting memory CD4+ T cells depletes gut lamina propria CD4+ T cells p.1148

doi: 10.1038/nature03513

細胞:有糸分裂紡錘体の機能にはクラスリンが必要である

Clathrin is required for the function of the mitotic spindle p.1152

doi: 10.1038/nature03502

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