Letter 物理:12Cの共鳴準位の測定にもとづいて改訂した星の中の三重α過程の反応率 2005年1月13日 Nature 433, 7022 doi: 10.1038/nature03219 温度が十分に高い星の中心では、核励起状態をもたらす共鳴反応により3個のα粒子(ヘリウム原子核)が結合し、12Cを形成することができる。(太陽質量の約0.5倍より大きい質量を持つ星はその一生のある時期に、この反応が進行するに足る十分高い中心温度を持つであろう。)この反応率は、宇宙の元素の存在比を決めるためにも、また星が超新星になる直前の鉄のコアの大きさを決めるためにも決定的に重要であるにもかかわらず、今まで十分正確には決められていなかった。本論文では、12C核が3個のα粒子に崩壊するという、三重α過程の逆過程を測定したことを報告する。12Cの主要な共鳴準位は約11 MeVとわかったが、9.1 MeVには共鳴準位の存在は確認できなかった。また、二準位間の干渉が測定されたスペクトルに重要な効果をもたらすこともわかった。これらのデータを用い、107Kから1010Kまでの温度について三重α過程の反応率を計算したところ、従来の標準値から大きくずれてくることを見出した。我々の計算したほぼ5×107K以下の反応率は、従来の標準値より高い。これは、第一世代の星で水素燃焼の触媒となった炭素の臨界量は、従来考えられていた値の2倍の速度で生成されることを意味する。109K以上の温度では上記の反応率はずっと小さくなり、これは超新星中の核種合成の予測を修正するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る