Letter 海洋:溶存有機物による深海への炭素の効率的輸送 2005年1月13日 Nature 433, 7022 doi: 10.1038/nature03191 海洋溶存有機炭素(DOC)は、還元された炭素の生物圏で最大級のプールを構成している。海洋表層から輸送されるDOCは、深海への有機炭素フラックス総量の20%と推定され、大気の二酸化炭素レベルに対する主要な制御の役割を果たしている。DOCは溶存有機物(DOM)の炭素部分であり、それゆえにDOMプールとフラックス、およびそれらの制御の正確な数量化は、海洋炭素循環を理解する上で不可欠である。DOCの輸送は、溶存有機窒素とリンの輸送に直接に結びついている。しかしながら、DOMの動態に関するC:N:Pの化学量論比(原子量による)は、ほとんど分かっていない。この論文では、大陸棚、大陸斜面、大洋中央循環の諸環境におけるDOMプールとDOM分解の化学量論比の研究結果を示す。DOMが再分解され、C:N:P=199:20:1の化学量論比で造り出されることを見出したが、この化学量論比はプール全体(典型的には>775:53:1)よりも有意に低いが、粒子状有機物(106:16:1、すなわちレッドフィールド比)より高い。したがって、表層水に持ち込まれた新しいNとPの所与の量について、レッドフィールド比の場合に生ずるよりも多くのDOCが輸送され得ることになる。このことは、海洋内部で生ずると推定される余剰の呼吸に寄与するかもしれない。得られた結果は、移流の経路を通っての全球的炭素輸送と元素平衡に対して明確な制約を示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る