Letter 医学:実験的マラリアワクチン用の遺伝子組換えマラリア原虫 2005年1月13日 Nature 433, 7022 doi: 10.1038/nature03188 マラリアはカが媒介する疾患で、スポロゾイト段階にあるマラリア原虫が体内に入ることによって伝播する。スポロゾイトは肝細胞に侵入して肝臓段階へと姿を変え、肝臓での分化増殖過程を経て、最終的に病原性のメロゾイトが放出される。肝臓段階にあるマラリア原虫は、マラリアワクチンの最も重要な標的となる。なぜなら、殺菌性免疫応答によって完全に除去が可能であるため、マラリア感染を防げるからである。我々は以前に発現プロフィールの解析を行って、赤血球段階前の原虫だけに発現する遺伝子を同定した。本論文では逆遺伝学手法を用いて、同定された遺伝子の1つUIS3(感染性スポロゾイトでアップレギュレーションされている遺伝子3)が肝臓段階初期の分化増殖に不可欠であることを明らかにする。uis3をもたないスポロゾイトは、肝細胞に感染してもin vivoで血液段階の感染に至ることができないため発症はしない。げっ歯類のマラリアモデルをuis3欠損スポロゾイトによって免疫すると、感染性をもったスポロゾイトの曝露に対して、感染を完全に防ぐことができる。この防御は持続性で、段階特異的である。これらの知見から、安全で効果の高い、マラリア原虫そのものを利用して遺伝的に弱毒化したワクチンが実現可能なことが実証された。 Full Text PDF 目次へ戻る