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生化学:神経刺激性ペプチドの鏡像異性体によって脂質二重膜に依存して起こる機械刺激感受性チャネルの阻害

Nature 430, 6996 doi: 10.1038/nature02743

タランチュラの一種Grammostola spatulataの毒から単離されたペプチドGsMTx4は伸展活性化カチオンチャネル(SAC)の選択的阻害剤である。その阻害メカニズムはよくわかっていない。しかし、GsMTx4とその鏡像異性体であるenGsMTx4はどちらもSACのゲートの開閉に影響を与えるため、リガンド−タンパク質相互作用に関して従来よく知られている鍵と鍵穴モデルには合わない。我々は阻害が脂質二重層に依存する機構によるのではないかと考え、グラミシジンA(gA)チャネルのゲート開閉におけるGsMTx4とenGsMTx4の影響を調べた。これら2つのペプチドはともに阻害活性を持ち、脂質二重膜の厚さとイオンチャネルの疎水領域の長さの不一致が増大するにつれて、その阻害効果も増大することがわかった。これはGsMTx4はチャネルに隣接した境界領域にある脂質の変形に必要なエネルギーを減少させていることを意味する。また、GsMTx4はSACの内向き単一チャネル電流を減少させるが、外向き電流には影響を与えなかったため、GsMTx4はSACの外側の入り口からデバイ長以内に位置しているが、内側の入り口からはかなり離れた位置にあることが示された。GsMTx4はgAの単一チャネル電流も同様に減少させた。これらの結果により、両親媒性ペプチドによる膜タンパク質の調節(機械薬理学(mechanopharmacology)な調節)には、タンパク質自体だけでなく周辺の脂質も関わっていることを示している。さらにGsMTx4のD形ペプチドが意外なほど効果を示すことは、内在性のプロテアーゼで加水分解されず、経口投与可能と思われるため、治療学的に重要であろう。

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