Article 免疫:無顎類海産ヤツメウナギの体細胞における可変性リンパ球受容体の多様化 2004年7月8日 Nature 430, 6996 doi: 10.1038/nature02740 無顎類脊椎動物では適応免疫応答を行う能力があるようだが、あらゆる有顎類に共通して見られる組換えを経てつくられる抗原受容体は見つかっていない。ヤツメウナギで適応免疫の系統学的起源を探索中に、新種の可変性リンパ球受容体(VLR)のほうが見つかった。このVLRは、非常に多様性の高いロイシン・リッチ・リピート(LRR;ロイシンに富む反復配列)の両端をアミノ末端LRRとカルボキシ末端LRRがはさんだ構造になっている。そして、柄のような不変領域が、グリコシル-ホスファチジルイノシトール・アンカーによってVLRを細胞表面につないでいる。備えをあらかじめ用意しておくタイプの免疫系に必要な多様なVLR遺伝子を再編成して生み出すため、ヤツメウナギの1個のVLR遺伝子座には膨大な数の多様なLRRカセットが含まれており、生殖系列の不完全なVLR遺伝子に挿入するのに使われる。個々のリンパ球は、再編成を受けたそれぞれに特有のVLR遺伝子を単一対立遺伝子的に発現する。したがって、非常に多様なリンパ球受容体を作り出すために進化上とられてきた戦略は、無顎類ではLRRモジュールの再編成、有顎類では免疫グロブリン遺伝子分節の再編成と、全く異なっている。 Full Text PDF 目次へ戻る