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物性:高転移温度超伝導体における異常な同位体効果

Nature 430, 6996 doi: 10.1038/nature02731

従来の超伝導体では、超伝導を可能にする電子対形成は格子振動の量子である仮想フォノンの交換によって引き起こされる。高転移温度(高Tc)超伝導体では、フォノンが対形成に関わっているかどうかは明らかではない。例えば、最適にドープされたBi2Sr2CaCu2O8+δ (Bi2212) のTcが酸素同位体置換によって無視しうるほどしか変化しない(16O→18OによりTcは92 Kから91 Kに下がる)ことは、この材料においてフォノンがたいした役割を果たしていないことを意味すると考えられてきた。今回我々は、角度分解光電子分光法を用いて、異なる酸素同位体を含むBi2212試料の電子ダイナミクスを詳細に比較した。我々のデータは決定的で強い同位体効果を示した。意外なことに同位体効果は、一般に非コヒーレントピークと呼ばれる高エネルギーのだらだらと広がった構造の中に現れる。温度と電子運動量の関数として、同位体効果の大きさは超伝導ギャップ、すなわち対結合エネルギーと強い相関を示した。これらの結果は、電子の一重項対形成と電子−格子カップリングが相互に強め合うという動的なスピン−パイエルス描像で説明しうると考えられる。

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