Letter 環境:二酸化炭素濃度の高い条件下での泥炭地帯からの溶存有機炭素の流出 2004年7月8日 Nature 430, 6996 doi: 10.1038/nature02707 泥炭地帯は、全球に存在する炭素を蓄える巨大な貯蔵庫のようなものである。泥炭地帯を流れる河川で溶存有機炭素濃度が急激に上昇していることが観察され、この貯蔵庫が不安定になりつつあるのではないかとの懸念が生まれている。この背後で働いている機構として、三つの主な要因が提唱されてきたものの、そのうちの二つの選択肢、つまり温暖化と河川流量の増加では十分な説明ができない。本論文では、三番目の機構、すなわち年間降水量のうちの夏期降水量の割合の変化傾向をもちだしても、この傾向は説明不可能であることを示す。かわりに我々は、これまで認識されていなかった機構、つまり一次生産力に及ぼす二酸化炭素を媒介とする刺激が有力な要因であると推測する。二酸化炭素濃度が高い条件下では、最近吸収された二酸化炭素に由来する溶存有機炭素の割合が、対照条件の場合よりも10倍大きかった。溶存有機炭素濃度は、分解のみに影響を与える環境側の駆動因よりも、純一次生産力に影響を与える駆動因に対してはるかに敏感に反応しているようだ。 Full Text PDF 目次へ戻る