Letter 細胞:カスパーゼ1のアダプターASCとIpafによるインフラマソームの異なる活性化 2004年7月8日 Nature 430, 6996 doi: 10.1038/nature02664 イニシエーターカスパーゼ群の活性化は、特異的なアダプターが調節している。たとえば、FADDとApaf-1は、それぞれカスパーゼ8、カスパーゼ9に働く。アダプターASC、Ipaf、RIP2はどれも、カスパーゼ1(インターロイキン(IL)-1変換酵素ともよばれる)を調節するとされている。カスパーゼ1の活性化は、いくつかのアダプターでできた複合体「インフラマソーム」中で行われる。今回我々は、ASC、Ipaf、RIP2の欠失が、インフラマソームの機能にどのように影響するかを明らかにする。toll様受容体(TLR)を刺激したマクロファージでは、細胞外ATPによるカスパーゼ1の活性化にASCが不可欠である。したがってASCを欠失したマクロファージは、IL-1β、IL-18の成熟に異常が生じ、ASC-ヌルマウスはリポ多糖が誘発する内毒素性ショックに対して抵抗性を示す。またASCヌルマクロファージでは、細胞内の病原体(Salmonella typhimurium)に応答して起こるはずのカスパーゼ1活性化がほとんど起こらなくなる。意外なことにIpafを欠失したマクロファージは、TLRとATPを同時に加える刺激に応答してカスパーゼ1を活性化したが、S. typhimuriumに応答した活性化は起こらなかった。RIP2の欠失は、カスパーゼ1活性化に影響しなかった。これらのデータが示すように、ASCはインフラマソームにおけるカスパーゼ1の活性化に重要な役割を果たしているが、Ipafは、細胞内の病原体が引き金となって生じたシグナルをインフラマソームへと伝える特別な伝達装置となっている。注目したいのは、ASCとIpafのどちらかが欠失したマクロファージではカスパーゼ1に対する刺激が引き金となる細胞死が起こらないことで、炎症経路と細胞死経路とが共役していることが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る