Letter

発生:ショウジョウバエにおいて Delta が形成を促進する糸状仮足は長距離にわたる側方抑制を仲介する

Nature 426, 6966 doi: 10.1038/nature02157

ショウジョウバエ Drosophila の胸部にある機械刺激を感受する剛毛は、神経分化能をもつ上皮細胞である「前神経性の (proneural)」の細胞群から選出される細胞に由来する。 Delta/Notch を介した「側方抑制」により、神経分化能は個々の感覚器官前駆細胞 (SOP) に限定され、前神経性の他の細胞は上皮細胞運命をたどる。大剛毛 (macrochaete) の前駆細胞は、およそ20から30個の前神経細胞群からは一つ、100 以上の細胞群からは時間差をもって二つ分化する。一方、規則的に配置される小剛毛 (microchaete) は、前駆細胞よりさらに大きい前神経性細胞群から生じる。このことは細胞数個分離れた距離を隔てて側方抑制が働いている可能性を示しており、抑制に働くリガンド Delta が膜結合型であることと矛盾しない説明は当初困難だった。しかし、SOP が頻繁に細い突起を伸ばすという観察結果が得られて、おもしろい仮説が提案された。本研究では、翅の成虫原基細胞の一般的な性質であるこのような平面内での糸状仮足の伸長がDelta によって促進され、実験的にこれを抑制すると離れた細胞で Notch シグナル伝達が減少し、より大きな前神経細胞群で剛毛密度が上昇することを示す。これらのことは、このような特殊化された膜構造が長距離にわたる側方抑制を仲介することを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度