Letter 視覚:動きによって生まれる空間的不整合 2003年9月11日 Nature 425, 6954 doi: 10.1038/nature01955 わずかな明るさの差(明度コントラスト)や色の違い(色相コントラスト)で区切られた輪郭が動くとき、強い明度コントラストで決まる輪郭より遅く動くように見える。空間符号化は動きによって影響を受けるため、近接して置かれた異なるタイプの輪郭が動くと、離れていくように見える。この配置を利用して、観察者が低明度コントラスト輪郭に対してはっきりした錯視的空間揺動を感じることを報告する。こうして顕在化した動きと空間位置符号化の相互干渉は、刺激となる動きが連続一定であっても、特有の振動数(約22.3Hz)で現れる。この揺動の振動数は、動きの速さによって変化しない。また、この揺動は刺激中の特定の点、低明度コントラストの輪郭上でのみ起こるので、眼球の小さな不随意的な動きによるものではない。このことから、ヒトの視覚系には、物理的には同速だが知覚的には異なる速度で動いているように見える輪郭が隣接しているとき、そこに生じる空間認知の不整合を周期的に解消するための神経機構が備わっていることがわかる。 Full Text PDF 目次へ戻る