Letter 材料:低分子有機薄膜を用いた効率的なバルクへテロ接合太陽電池 2003年9月11日 Nature 425, 6954 doi: 10.1038/nature01949 この十年間、低分子および高分子有機物による太陽電池の電力変換効率は着実に向上してきた。この進歩は主として、光によって発生し強く結合した励起子の解離サイトとして機能するドナー・アクセプター・ヘテロ接合を導入したことに帰せられる。高分子素子では、ドナー材料とアクセプター材料の混合物を用いることで、さらなる向上が現実のものとなった。スピンコーティング中に相分離し、ドナー材料とアクセプター材料の相互に浸透する網状組織を作ることによって、励起子の拡散によるボトルネックを解消するバルクのヘテロ接合を作る。これに対して、真空蒸着した低分子材料の混合物を用いたバルクのヘテロ接合の実現は困難であった。つまり、基質の温度を上げることによって相分離が誘導されるので、必然的に膜表面を著しく粗くし、素子の短絡をもたらす。今回我々は、アニーリング中に金属の覆いを用いて有機材料を閉じこめると、相互に浸透するドナーとアクセプターの網状組織を形成している間に粗い表面組織が形成されるのを防げることを実証した。この方法によって電力変換効率は同種の二層素子について報告されている最良の値よりも50%高くなり、このストレスをかけたアニーリング工程が真空蒸着した低分子量有機材料をベースとする低価格かつ高効率の薄膜有機物太陽電池の製造に使える可能性があることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る