Letter 生化学:HCNペースメーカー・チャネルの調節およびアゴニスト特異性の構造的基礎 2003年9月11日 Nature 425, 6954 doi: 10.1038/nature01922 過分極活性化環状ヌクレオチド調節性(HCN)チャネルのファミリーは、心臓やニューロンのペースメーカー活性を含む各種の電気シグナル伝達に必須であり、静止状態にある膜の電気的性質や樹状突起でのシナプス統合を設定している。これらの非選択性陽イオンチャネルは、心臓および神経細胞のIf, Ih, Iq電流を担うもので、膜の過分極により活性化され、cAMPやcGMPのような環状ヌクレオチドの結合によって調節を受ける。cAMPを介したチャネル活性の増強は、β-アドレナリンアゴニストによって起きる心拍数増加の大きな原因となっている。本研究では、この調節の基盤となる機構を、環状ヌクレオチド結合ドメイン(CNBD)およびCNBDとポアをつなぐC-リンカー領域を含むHCN2のカルボキシ末端断片を使って調べた。cAMPまたはcGMPと結合したこのC末端断片のX線結晶構造解析結果と、沈降平衡法による解析結果から、ドメインが四量体を形成していることと環状ヌクレオチド特異性の生じる機構を明らかにし、またリガンドに依存して起こるチャネル調節のモデルを示した。HCNチャネルとのアミノ酸配列相同性からすると、環状ヌクレオチド依存性チャネル、eagおよびKAT1関連のチャネルのファミリーは、おそらくHCNチャネルと同類の構造とメカニズムを有しているであろうと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る