Letter 物理:単一渦の量子動力学 2003年9月11日 Nature 425, 6954 doi: 10.1038/nature01826 渦はさまざまな気体や流体において巨視的スケールから微視的スケールまで自然に発生する。希薄な原子気体のボース・アインシュタイン凝縮体、超流動ヘリウムそして超伝導体では、渦の存在はこれら系の量子性が現れたものである。この渦は超電流が量子化されたもので、物質中に侵入する磁束によって発生し、物質の性質や超伝導体を使った素子の性能を決める重要な役割を果たす。高温ではこのような渦の動力学は本質的に古典的であるが、低温では、今までの実験から、集団的な量子動力学が提案されている。しかし、低温で渦のトンネリングが起こるかどうかは、多数の渦から成る集団に対してしか研究されていない。今回は、超伝導ジョセフソン接合における1個の渦の量子動力学を研究した。ピンニングポテンシャルを制御して、このポテンシャルから渦が脱出するときの電流の統計分布を測定した。その結果、トラッピングポテンシャル井戸内部に渦エネルギーの量子化された準位が存在すること、そしてピンニング障壁を通って渦の量子トンネリングが起こることが実証できた。 Full Text PDF 目次へ戻る