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遺伝:ヒトと類人猿のY染色体にある回文配列の腕どうしの間で数多く見られる遺伝子変換

Nature 423, 6942 doi: 10.1038/nature01723

ヒトY染色体にある男性特異的領域MSYでは、ユークロマチンDNAの4分の1を8個の回文配列が占めている。そこには多数の精巣特異的遺伝子が含まれ、回文配列内での(腕と腕どうしの)配列の同一性は、通常は99.97%にもなる。この高い同一性は、これらの回文配列が約10万年前に起こった重複を介して生じたことを示す証拠と解釈することもできる。本論文では、大型類人猿で配列比較解析を利用し、これらのMSY回文配列のうち少なくとも6個は、およそ500万年前に起こったヒトとチンパンジーの分岐よりも前から存在したことを明らかにする。これらの回文配列の腕ではその後に遺伝子変換が起こって、対応する腕のペアが呼応した進化を遂げる原動力となってきたに違いない。実際、既存のヒト集団内でMSY回文配列の変動を解析すると、ヒトで腕対腕の遺伝子変換が再三起こったことを示す証拠が得られる。最近の進化の過程では、新生児男子1人あたり平均して約600ヌクレオチドでY-Y遺伝子変換が起こっており、これがMSYに見られる複数コピーをもつ精巣遺伝子ファミリーの進化に重要な役割を果たしてきたと我々は結論する。

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