Letter 視覚:静止した物体に速い到達運動への視覚運動の影響 2003年6月19日 Nature 423, 6942 doi: 10.1038/nature01693 静止した物体に速い到達運動への視覚運動の影響視覚の重要な機能の一つは、物体に向かう行動を方向づけることである。しかし行動の方向付けに視覚が利用される度に、行為者が目標物を見る際の目や頭の動きや、その光景内にある他の物体の動きによって、網膜上には動き信号が生み出される。正確に目標に到達するためには、視覚運動系は静止している目標の位置についての情報を、背景についての網膜上の動き信号から分離しなくてはならない。この問題についてはずっと以前から研究が行われてきたが、いまだにほとんど解明されていない。今回我々は、視覚運動系が、実はこの二つの情報を区別していないことを示す。行為者が短時間示された静止した目標に向かって速い到達運動をするとき、手は遠くにある無関係な刺激の動きの方向に一致したずれを示す。これは従来の多くの知見とは逆の結果である。この現象は手の軌跡の早い時期(約120ミリ秒)に観測できるもので、運動のプログラム段階から完了までを通じてたえず起こっている。視覚運動系は、目や頭の動きによって起こる動き信号をむしろ利用して、目標の位置情報をすばやく更新したり、体の運動を補正したりして手の運動方向を修正している可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る