Letter 発生:クモの体節形成にはNotchおよびDelta遺伝子が関与している 2003年6月19日 Nature 423, 6942 doi: 10.1038/nature01682 動物のさまざまな門における体節形成には共通の起源があるのか、また、共通の遺伝的機構があるのかどうかについては現在、議論が交わされている段階である。節足動物と脊椎動物では異なる遺伝的ネットワークが使われていると見られており、このことが体節形成に共通の起源があるとする見解に対して強力な反論材料となってきた。節足動物の体節形成に関する現在の知識は主に昆虫のショウジョウバエに基づいたものであり、ショウジョウバエでは転写因子群が階層的なカスケードをなして体節形成を制御している。これらの遺伝子のいくつかは、クモなどの節足動物で機能が保存されているが、脊椎動物では保存されていないとみられている。Notch系は脊椎動物の体節形成(somitogenesis)において重要な役割を果たすが、ショウジョウバエの体節形成には関与していない。本論文では、Notch遺伝子とDelta遺伝子が、ショウジョウバエと同じ節足動物であるクモの一種Cupiennius saleiの体節形成に関与していることを示す。RNA干渉実験と組み合わせてNotchとDeltaの発現パターンを見たところ、クモの体節形成と脊椎動物の体節形成との間に多くの類似点が見つかった。我々の得たデータは、節足動物と脊椎動物が、共通祖先にあった体節形成の遺伝的プログラムを共有している可能性があること、そして、このプログラムの一部がその後派生した特定の動物系統では失われたことを意味する。 Full Text PDF 目次へ戻る