植物が開花段階へ移行する過程は、温度や光などの環境要因によって調節されている。高密度の林冠の下で、あるいは密集状態で成長する植物は、入射光の赤色光/遠赤色光の比の低下を感知する。光の質のこのような変化は競争の警告となり、まとめて「避陰反応」と呼ばれている一連の反応が誘導される。避陰反応が起こると、葉の展開を犠牲にして茎が伸長し、開花が促進される。シロイヌナズナの持つ赤色光/遠赤色光受容体である5種類のフィトクロムのうち、フィトクロムB(phyB)が避陰反応で最も重要な役割を果たすが、phyBが赤色光/遠赤色光比の変化に反応して開花を調節する機構はほとんどわかっていない。今回、phyBの関わる経路で作用し、最適以下の光条件に反応して開花を誘導する核タンパク質PFT1(PHYTOCHROME AND FLOWERING TIME 1)を同定した。PFT1はphyBの下流で機能してFLOWERING LOCUST(FT)の発現を調節する。以上の結果は、光の質を感知して植物の開花時期を調節する経路が存在することの証拠となる。