Letter 量子情報科学:同一のデコヒーレンスを受けた2対の光子から量子連結状態にある光子対を抽出する実験 2003年1月23日 Nature 421, 6921 doi: 10.1038/nature01358 量子連結状態は、量子テレポーテーション・濃密符号化・連結状態を用いる量子的鍵配送などの量子情報処理技術に不可欠な材料である。遠く隔たった相手との間では、古典的通信で量子連結状態を作り出すことはできないから、連結した粒子を両者の間に分配することが必要である。分配の過程で、周辺環境との避けられない接触から生ずるデコヒーレンスおよび散逸によって、粒子間の連結は劣化する。従って、これらの連結が減少した対から、強く連結した対を抽出するという、量子連結状態の蒸留や濃縮の工夫が必要である。これは、局所操作と古典的通信で行うことができる。ここにわれわれは、連結の劣化した2つの光子対から、偏光が連結した光子対1つを抽出するという実験を行ったことを報告する。偏光が連結した2つの光子対を自然放出的パラメトリック下方変換で作り、どちらの対にも同じ位相の揺らぎを誘発する経路を通じて分配する。これにより、それぞれの対が別々に操作される限り、連結状態は現れないことが保証される。集団的な局所操作と古典的通信により、デコヒーレンスを受けた2つの光子対から1つの光子対を抽出し、それが偏光の連結した状態にあることを観測した。 Full Text PDF 目次へ戻る