Letter 視覚:前頭皮質の微弱刺激による視覚信号の選択的ゲーティング 2003年1月23日 Nature 421, 6921 doi: 10.1038/nature01341 数十年にわたる精神物理学や神経生理学の研究によって、視覚信号は注視の部位で増強されることがわかっている。しかし、視覚表現の強度にバイアスを掛ける最初の機構については謎のままである。最近の知見から、このバイアスが空間的注視の際に生じる急速眼球運動の指令を反映している、と論じられるようになった。そこで、前頭眼野(FEF)内の部位を電気刺激して有線野外視覚皮質のニューロン活動への影響を観測することにより、眼球運動準備と視覚コード化との機能的相互作用を検討した。本論文では、V4野の視覚応答は、FEF内の網膜地図上で対応する位置に、急速眼球運動を引き起こすのに必要な強度以下の弱い電流による刺激を短時間与えることで、増強されることが明らかになった。この増強の規模は、受容野刺激の効率と受容野外に与えた拮抗的刺激にしたがって変化した。FEF内の関わりのない領域への刺激はV4野の応答を抑制することがあった。この知見は、視覚信号の利得は空間的に対応した眼球運動指令の強さによって修飾を受けることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る