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物性:準結晶における局所的熱振動異常の直接観察

Nature 421, 6921 doi: 10.1038/nature01337

準結晶は周期性と相容れない対称性で特徴づけられる長距離秩序をもち、その構造はしばしば高次元空間での周期格子と関係づけて記述される。この「超空間」結晶学という考え方においては、準結晶の格子動力学は格子振動と原子ゆらぎ、すなわちフォノンとフェイゾンの組み合わせで記述できる。しかしながら、実空間の準結晶構造中における局在ゆらぎを観察することは困難であるため、フェイゾンに関連したゆらぎの本質と、その熱力学的安定性に対する寄与はまだ十分に理解されていない。今回我々は、原子分解能の環状暗視野走査透過型電子顕微鏡を用いて、Al72Ni20Co8正10角形相の高温in situ観察を行い、準結晶における熱散漫散乱の強度分布変化を直接描き出した。1,100 Kでは局所的な原子振動異常が構造中の特定の原子サイトで顕著になることを見出した。これらの局在した振動の空間分布はランダムではなく、スケール長さ2nmの準周期的な相関をもつ。我々は、この特徴を、超空間結晶学の考え方で定義されるフェイゾン関連サイトにあるAl原子の異常な温度因子(デバイ−ワラー因子)によって説明することができた。よって、今回の結果は固体中の局所的な熱振動異常の直接観察といえよう。

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