Letter 環境:塩素化ジオキシンの嫌気性細菌による還元的脱ハロゲン化 2003年1月23日 Nature 421, 6921 doi: 10.1038/nature01237 ポリ塩素化ジベンゾ‐p‐ジオキシン類(PCDD)とポリ塩素化ジベンゾフラン類(PCDF)は、環境汚染物質の中でも最も悪名が高い部類に含まれる。同族体の一部、特に両側の2,3,7,8位が塩素で置換されたものは、ヒトに対する毒性、発癌性がきわめて高い。PCDDとPCDFを無毒化する非常に有望な方法の1つに、微生物による還元的脱塩素化がある。塩素化物の還元的脱ハロゲン化(塩素原子を水素原子に置換する)とエネルギー維持や増殖とを共役させる過程は脱ハロゲン呼吸とよばれるが、これまでに見つかった脱ハロゲン呼吸を行う嫌気性細菌の系統は限られている。沈殿堆積物中や沈殿堆積物由来の嫌気性混合培養中では、微生物によるPCDDの脱塩素化反応が起こるが、これを行う微生物は同定も単離もされていなかった。本論文では、PCDDとPCDFで高度に汚染された淡水沈殿堆積物から得た、ダイオキシンを脱塩素化する4 種類の集積培養液中に、Dehalococcoides属の細菌の1種が存在することを報告する。また、以前に報告した塩化ベンゼン脱ハロゲン呼吸を行うDehalococcoidessp.のCBDB1株に、ダイオキシン同族体の一部を還元的に脱塩素する能力があることも明らかにする。1,2,3,7,8‐ペンタクロロジベンゾ‐p‐ジオキシン(PeCDD)の還元的脱塩素化は、環境に大きな影響を与えるダイオキシン類が、この細菌によって分解されることを明らかにするものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る