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視覚:網膜で方向選択性を生み出す機構と回路

Nature 420, 6914 doi: 10.1038/nature01179

網膜には、視覚対象が特定の方向に動くときに安定な発火で応答し、逆方向または無方向の動きには最小の応答しかしないという、方向選択性節細胞がある。この演算処理の基礎になる回路と機構については、学説が確定していない。今回、方向選択性細胞への興奮性入力と抑制性入力とを分離して、節細胞とシナプス前ニューロンとの直接結合を測定した結果、シナプス前の介在ニューロン(starburstアマクリン細胞)が方向選択性節細胞に直接抑制を送っていることが判明した。starburst細胞の突起は方向選択性細胞に非対称に結合しており、無方向に向かうstarburst細胞では抑制を送り、嗜好方向に向かう細胞では抑制を送らない。starburst細胞は無方向に動く刺激に先行して抑制を送る。さらにstarburst細胞の抑制自身に方向選択性があって、無方向の動きでより強く活動する。この方向選択性節細胞のシナプス前部位で働く抑制性信号によって、無方向の動きに反応する節細胞の興奮は減少するのである。これらの成分間の協調、つまり無方向動き刺激による抑制の強化と興奮の減少とによって、方向選択性が安定に生み出されている。

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