Letter 医学:ジストロフィー性筋肉のミオスタチン遮断による機能改善 2002年11月28日 Nature 420, 6914 doi: 10.1038/nature01154 ミオスタチン(GDF8)はTGF-βスーパーファミリーに属する新しいタンパク質で、この遺伝子に変異をもつマウスとウシでは体重と筋量が著しく増加することから、これは骨格筋の増殖を負に調節する因子であることがわかる。ミオスタチン遺伝子の産物を阻害すれば、筋量が増加し、さまざまな一次ミオパシー、二次ミオパシーの症状が改善するものと期待される。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)のmdxマウスモデルを使い、in vivoでミオスタチンを阻害するとジストロフィーの症状が改善されるかを調べた。mdxマウスの腹膜内に阻止抗体を3カ月間注射することによって内在性ミオスタチンを遮断したところ、体重、筋量が増加し、筋肉が太くなり、絶対強度が高まった。また同時に、筋肉の変性がかなり抑えられ、血清クレアチンキナーゼ濃度が低下した。ミオスタチンを遮断することでジストロフィーを起こしている筋肉の機能が回復することから、DMDのように筋肉の消耗をともなう病気について、新たな薬理学的治療戦略が考えられる。また、この種の病気に対する従来型の遺伝子治療の主な問題点も回避できるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る