Letter 進化:自然個体群における花部形質の相関の遺伝的機構 2002年11月28日 Nature 420, 6914 doi: 10.1038/nature01105 形質間の遺伝相関は進化において重要である。なぜなら遺伝相関は、進化上の変化を制約したり、過去になされた選択を形質の組み合わせに反映させたりする可能性があるからだ。制約と統合は、多面発現もしくは連鎖不平衡によって相関が起こるかどうかに左右されるが、相関の基盤にあるこれらの遺伝的機構は自然個体群においては未だによくわかっていない。量的形質座位(QTL)のマッピング研究は、別種間や近交系間、選択された系統間の交配をよりどころとするため、個体群内の遺伝相関の機構に取り組むには十分でなく、また、一般に1つか2つの組換え事象に頼るため、中程度の連鎖不均衡と多面発現とを区別することができない。本論文では、野生のセイヨウノダイコンで9世代にわたり強制的に任意交配をした(組み換えが9回起こった)あとも、6つの花部形質どうしの相関は変わらないことを報告し、多面発現がこれらの相関を生じさせていることを示す。機能的に統合した1対の形質に対して前もって相関の選択が作用しているにもかかわらず、連鎖不均衡の存在を示す証拠は見られない。今回の研究は、自然個体群における量的形質間の相関の裏にある遺伝的機構を直接示す証拠を提供するものであり、また、高度に相関する形質対が独立に進化するのに対して制約がかかる可能性を示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る