Letter 生態:CO2およびO3 を多く含む大気中における森林害虫の活動変化 2002年11月28日 Nature 420, 6914 doi: 10.1038/nature01028 人間の活動は、温室効果ガスであるCO2およびO3の基礎濃度の上昇を引き起している。CO2濃度の上昇は、あらゆる陸上生態系に見出されている。有害なO3濃度は現在、世界の温帯林と亜寒帯林の29%以上でみられるが、2100年までには少なくとも60%に影響を及ぼすと予測されている。CO2とO3が単独で植生に及ぼす影響は広く調べられているが、その相互作用についてはほとんどわかっておらず、成木および高栄養段階を対象とした長期調査はほとんど行われていない。本論文では、北米に一番広く分布する樹種ヤマナラシ(Populus tremuloides)を対象に、CO2とO3が単独および組み合わさることで、生産性、物理的および化学的な葉の防御機構、ならびに植物の質の変化による病虫害集団に影響を及ぼしていることを示す証拠を提示する。今回得られたデータは、CO2およびO3によって誘導される植物の質および害虫の活動の変化による植物成長に対するフィードバック機構が存在する可能性が高いことを示している。したがって、森林生態系に対する地球規模の変化を評価する際には、CO2とO3の相互作用が植物の生育に及ぼす作用、ならびに害虫行動の活発化との関連性を考慮しなければならない。 Full Text PDF 目次へ戻る