Letter 免疫:プロテインキナーゼCδ欠損マウスにおけるB細胞の増殖亢進と自己免疫 2002年4月25日 Nature 416, 6883 doi: 10.1038/416865a 11種類の近縁なアイソフォームをもつプロテインキナーゼC(PKC)は増殖、分化、分泌、アポトーシスや腫瘍形成などの様々な細胞プロセスに関与している。これらPKCアイソタイプのうち、PKC-δは過剰発現させると細胞増殖を抑制するという点で独特である。本論文ではPKC-δを欠損するマウスが無刺激の状態で多数の胚中心の形成を伴うBリンパ球の増殖を示すことを明らかにする。刺激に対するPKC-δ欠損マウスのB細胞の増殖率は、野生型マウスのB細胞に比べて高かった。養子移入実験により、この高い増殖性はB細胞自律的であることが示唆された。PKC-δ欠損マウスのB細胞ではNF-IL6のDNA結合活性が上昇しており、その結果としてインターロイキン6の産生が顕著に増加していた。さらにPKC-δ欠損マウスは血中に自己反応性の抗体を含み、免疫複合体型糸球体腎炎を呈し、また多臓器にわたってリンパ球の浸潤が見られた。これらの結果は、PKC-δがB細胞増殖の負の制御において不可欠な機能を持ち、B細胞寛容の確立に特に重要であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る