Letter 海洋:過去40年間における北大西洋の深層の急速な塩分低下 2002年4月25日 Nature 416, 6883 doi: 10.1038/416832a デンマーク海峡の海閾やフェロー諸島とシェトランド諸島間の海峡の海閾からの低温高密度水の溢流、ついで起こる北大西洋への沈降は、北大西洋の深層における鉛直循環の主要な過程であり、したがって全球的な熱塩循環にとって重要な要素となっている。大気中の温室効果ガス濃度が増加しつつある気候の下での北大西洋についてのコンピューター・シミュレーションの多くは、亜北極地方の海で塩分が低下し、水温が上昇するにつれて北大西洋の熱塩循環が弱まることを予測しており、さらに、このシグナルが上記2ヶ所での溢流によって深層へもたらされることになると考えられている。観測結果からは北大西洋の鉛直循環が変化しつつあるかどうかは検出できていないが、最近の知見は海閾を乗り越えての輸送が弱まりつつある可能性を示唆している。本論文では、長期の海水路観測データの解析を通じて、大西洋の深層で鉛直循環を引き起こす溢流・連行系が過去40年間に徐々に変化してきたことを示す。我々は、これらの変化によって北大西洋の深層がすでに持続的にそして広範に低塩化してきたと考える。 Full Text PDF 目次へ戻る